裁判員制度の施行から15年になるのを前に、法曹や裁判員経験者らが制度の成果や課題を議論するシンポジウムが11日、専修大学(東京都千代田区)であった。元裁判官の村山浩昭弁護士は「失敗しない審理、判決に帰着している。まだ始まったばかりで、安定より革新を求めたい」と述べた。
過去の刑事裁判では、捜査段階に作られた供述調書を過度に重んじる「調書裁判」との批判があった。裁判員制度では、調書より公判での尋問などを重視する「公判中心主義」への転換をめざしている。
東京地裁や静岡地裁の裁判員裁判で裁判長を務めた経験がある村山弁護士は「(制度導入直後に比べ)検察官が請求する証拠を『予備的にでも採用しておくか』ということも多いように感じる。強いて言うと調書が復活している」と述べた。
また、裁判員に守秘義務が課…